公害防止管理者「水質」の汚泥処理特論では計算問題が出題されることがあります。計算問題を解く上で最も有効な対策は、実際に演習問題を解いてみて、解説を熟読することです。さらに、問題で与えられた条件を図としてイメージできればより解きやすくなると思います。
演習には市販の参考書やネットで公表されている過去問を使えばいいと思います。本記事では例題を用いながら、問題の条件を図としてイメージすることに焦点を当てて解説していきます。
問題
横流式沈殿池を用いて濁水から懸濁粒子を分離します。濁水の流量は6 m3/分、懸濁粒子の沈降速度は3 cm/分、横流式沈殿池の幅は5 m、深さは6 mです。懸濁粒子の除去率を50%とするのに必要な横流式沈殿池の長さ(m)を求めてください。ただし沈殿池の流れは平行かつ均一とします。
※この問題は過去に汚泥処理特論で出題された問題をベースにしていますが、沈降速度などの数字は過去問とは異なります。
解説
問題は以下の手順で解きます。
① 懸濁粒子が50%除去される時間(分)を求める。
② 濁水が1分あたりに進む距離(m)を求める。
③ ①で求めた時間が経過したとき、濁水が何メートル進んでいるかを求める。
① 懸濁粒子が50%除去される時間(分)
この問題は懸濁粒子が沈降する縦方向の動きと、濁水が平行に流れていく横方向の動きを順番に考えます。
まずは縦方向の動きですが、図のように水面付近にいる粒子が水の中腹まで沈降してきたときに除去率50%となります。沈殿池の深さは6 mですから、粒子は3 m移動しています。毎分3 cm(=0.03 m)沈降する粒子が3 m沈降するには、3/0.03=100分かかります。

② 濁水が1分あたりに進む距離(m)

次は横方向の動きです。沈降池の流れに対して垂直な面の面積は幅×深さ=(5×6) mです。1分あたりの濁水の流量は6 m3ですから、面積が(5×6) m、体積6 m3の直方体の奥行きが1分間で濁水が進む距離を表します。計算すると、
6/(5×6)=0.2 m
③ ①で求めた時間が経過したとき、濁水は何メートル進んでいるか
0.2 m/分で進む濁水は100分経過時、0.2 (m/分)×100 (分)=20 (m)進みます。
よって横流式沈殿池の必要な長さは20 mです。
補足
横流式沈殿池の流入部、流出部は整流壁という壁で仕切られています。整流壁には複数の穴が開けられていて、穴から濁水が流入、流出される仕組みです。学校の音楽室の壁に穴が開いていましたが、その穴をもっと大きくしたようなイメージです。

沈降した汚泥は沈殿池の底に堆積します。底に傾斜をつけて粒子が堆積しやすいスポットをつくり、そこから堆積物を引き抜くことで粒子を除去します。
本問題では流入部から流出部までの20 mの距離を濁水が100分かけて移動しました。自然沈降は比較的時間がかかりますので、このようにゆっくりと、粒子が沈降するための時間を稼ぎながら流していきます。濁水の処理能力を上げるためには沈殿池の幅と深さを長くする必要があります。
まとめ
横流式沈殿池で懸濁粒子を沈降させる場面を想定した計算問題について解説しました。参考になれば幸いです。



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